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月の氷、15億年かけて蓄積か
要約
米コロラド大学ボルダー校とワイツマン科学研究所の国際チームは、月南極付近の恒久的な影で氷が約15億年をかけて徐々に蓄積したと分析しました。NASAの月周回衛星のデータと影の継続期間に相関が見られ、将来の水資源探索の手がかりになる可能性があります。
本文
米コロラド大学ボルダー校とイスラエルのワイツマン科学研究所を含む国際チームは、月の南極付近のクレーターなど太陽光が届かない影の領域に存在する氷が、約15億年かけてゆっくり蓄積したとする研究成果を発表しました。研究成果は英科学誌ネイチャー・アストロノミーに掲載されています。研究では過去の月の傾きの変化で日陰が移動した点に着目し、影になっていた期間を計算で求めました。NASAの月周回無人衛星の観測データに基づく氷の分布予想との相関が示され、長期的な蓄積が示唆されています。
報告の要点:
・研究チームはコロラド大学ボルダー校とワイツマン科学研究所などの国際共同体です。
・月の氷は主に太陽光が当たらない影の領域に存在すると分析され、蓄積に約15億年を要したとされます。
・手法は過去の月軸の変化に伴う影の移動を計算し、影の継続期間と衛星データの氷分布予測を比較するものでした。
・水の起源については小惑星や太陽風、内部起源など複数説があり、今回の研究は彗星1回の衝突で説明する仮説を否定しています。
・表面に露出している氷量との相関を示したにとどまり、実際の大量分布の確認には掘削などの無人探査が重要だと指摘されています。
まとめ:
研究は影の期間と氷の分布に相関があることを示し、月での水資源探索の手がかりを提供する可能性があります。氷の起源や地下にどれだけ存在するかは現時点では未定で、実態把握には掘削調査などが求められます。なお、NASAは有人周回計画「アルテミス2」を進めており、月面着陸の目標年は2028年とされています。
