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アルテミスIIの通信技術
要約
NASAのアルテミスIIで、オリオンと地球を結ぶ通信は打ち上げ〜月遷移で近宇宙ネットワーク、以降は深宇宙ネットワークに切り替わります。新たに搭載したレーザー光通信O2O(MAScOT)で最大260Mbpsの伝送が可能とされ、月の裏側での約40分の通信途絶への対策として月周回中継衛星の整備が進められています。
本文
アルテミスIIの有人宇宙船オリオンは、地球との通信を無線ネットワークとレーザー光通信で担っています。打ち上げ直後から月遷移軌道への段階では近宇宙ネットワーク(Near Space Network)が通信を担当し、その後は深宇宙ネットワーク(Deep Space Network)に移行するとされています。有人月探査でのレーザー光通信は今回が初めての実証とされ、データ量の増大に対応する狙いがあります。月の裏側通過時には従来どおり電波の遮蔽による通信途絶が発生しており、これを解消するための中継衛星整備が進められています。
報じられている点:
・4月1日に打ち上げられたアルテミスIIのオリオンが今回の通信実験の対象である。
・打ち上げ〜月遷移までは近宇宙ネットワーク、月遷移後は深宇宙ネットワークが通信を引き継ぐ。
・深宇宙ネットワークはカリフォルニア、スペイン、オーストラリアの大型アンテナ群で長距離通信を維持する。
・レーザー光通信システムO2Oに中核端末MAScOTを搭載し、口径4インチの光望遠鏡を2軸ジンバルで指向制御する構成を採用している。
・O2Oは最大260Mbpsでの科学データや4K映像伝送に対応するとされ、NASAは従来比で100倍以上の転送改善を確認したとする。
・月の裏側通過時に約40分の通信途絶が発生し、これを解消するためLCRNSプロジェクト等で月周回中継衛星の整備が進められている。
まとめ:
今回の通信構成は、無線による広域接続とレーザー光通信による高容量伝送を組み合わせたものです。これにより科学データや高精細映像の地上伝送能力が向上する見込みがある一方で、月の裏側での電波遮蔽による通信途絶は現行の制約として残っています。NASAは月周回中継衛星の整備を進めており、今後のミッションで段階的に運用改善が図られる見通しです。
