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PM2.5中のスズがスギ花粉症を悪化する可能性
要約
名古屋大学などの研究で、PM2.5に含まれるスズがスギ花粉症の鼻症状を悪化させる可能性が示されました。症状のある人の鼻内スズ濃度は約3〜4倍で、モデルマウス実験でもスズの滞留と症状悪化が確認されています(2025年12月掲載)。
本文
名古屋大学などの研究グループは、PM2.5に含まれる金属成分の一つであるスズがスギ花粉症などのアレルギー性鼻炎の症状を悪化させる可能性を報告しました。研究は飛散期の人の鼻腔内試料とモデルマウスの実験を組み合わせて行われ、鼻の粘液成分とスズの関係にも着目しています。成果は国際学術雑誌にオンライン掲載されています。
報告されている点:
・飛散期に症状を訴えた人44人と無症状57人の鼻腔洗浄液を比較し、症状群のスズ濃度が約3〜4倍高かったこと
・花粉症のモデルマウスにヒトレベルのスズを投与するとアレルギー症状が悪化したこと
・PM2.5に相当するエアロゾルを吸入させた実験で、鼻炎マウスの鼻腔にスズが2〜3倍多く蓄積したこと
・病理解析と元素イメージングで、ムチンとスズが同じ場所に高い割合(約67%)で存在し、スズ曝露がムチン産生を増やすと示唆されたこと
まとめ:
研究は、アレルギー反応で増えたムチンがスズを捉えて鼻腔内に滞留させ、その滞留が症状をさらに悪化させる一連の可能性を示しています。スギ花粉は主に2〜4月に飛散し、政府は発症対策や発生源対策を進めており、発生源対策では2033年度ごろまでにスギ人工林を約2割減らす方針が示されています。現時点での知見は研究報告に基づくもので、詳しい影響範囲は今後の追加研究で明らかになる可能性があります。
