← ニュースAll
Atg2が媒介する細胞内の脂質移動を可視化
要約
東京大学と北海道大学の研究で、脂質に入り込む蛍光色素R18を生きた細胞に導入し、Atg2が小胞体と隔離膜の間で脂質を双方向に輸送する様子を顕微鏡で観察しました。飢餓時は小胞体から隔離膜へ、オートファジー停止時に逆方向の流れが確認されています。
本文
東京大学と北海道大学の研究グループは、生きた細胞内で脂質の動きを追跡するために疎水性蛍光色素オクタデシルローダミンB(R18)を用いた顕微鏡観察を行いました。これにより、オートファジーで新たに作られる隔離膜(オートファゴソーム)を拡張させる脂質の供給経路が観察されています。研究では脂質輸送タンパク質Atg2が小胞体と隔離膜の間で橋渡しのように働き、環境に応じて脂質の流れが逆転する様子が示されました。生きた酵母や哺乳類細胞での観察に基づく点が本研究の特徴です。
実験で確認された点:
・R18を生きた酵母細胞と哺乳類細胞に導入し、細胞内での脂質移動を追跡した。
・Atg2が小胞体と隔離膜をつなぎ、脂質を輸送する様子を顕微鏡で観察した。
・栄養飢餓時は小胞体から隔離膜へ脂質が移動し、オートファジー停止時に流れが逆転した。
・生細胞内で双方向の脂質移動が確認された点は、これまでの試験管内観察と異なる新規性がある。
・研究は東京大学大学院新領域創成科学研究科と北海道大学遺伝子病制御研究所の共同による。
まとめ:
本研究は、Atg2を介した脂質の供給と回収が細胞の環境に応じて切り替わることを生きた細胞で示しました。膜形成の分子機構理解やオートファジー関連の研究に資する可能性があります。今後の詳細な解析や追加の発表日程は現時点では未定です。
