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太陽の銀河大移動に兄弟星の存在示唆
要約
都立大と国立天文台の研究チームは、ガイアの分光カタログGSP-Specを使い太陽双子星6594天体の高信頼度カタログを作成し、観測偏りを補正した結果、太陽と同世代に相当する約40~60億年前に生まれた類似星が近傍に多数いることを示しました。
本文
東京都立大学と国立天文台の共同研究チームは、欧州宇宙機関の位置天文衛星ガイアが公開した分光解析カタログGSP-Specを用いて、太陽に極めて似た性質を持つ「太陽双子星」の大規模なカタログを作成しました。今回の解析では観測の偏り(選択効果)を数値的に補正し、年齢分布を復元する手法を導入しています。得られた年齢分布には約20億歳の鋭いピークと、太陽の年齢に近い約40~60億年にわたる緩やかな膨らみが確認されました。この膨らみは、太陽と同世代の類似星が近傍に多数存在することを示しており、太陽系の銀河内での大移動に関する理解に新たな手がかりを与えています。研究チームは今後、特定した天体の精密観測を進める方針としています。
報告された点:
・ガイアのGSP-Spec(2022年公開)データを用い、太陽と大気パラメータが近い星を抽出して6594天体の太陽双子星カタログを作成した。
・各天体の年齢は恒星進化モデルに基づき決定し、観測偏りを人工データで定量化した選択関数で補正した。
・補正後の年齢分布には約20億年の鋭いピークと約40~60億年の緩やかな膨らみが現れ、後者は太陽の年齢とよく一致した。
・これらの結果から、太陽と同年代の似た星が近傍に多数いることが示され、太陽系の大移動が特異ではなかった可能性が示唆された。
・棒状構造の形成時期に関する議論と関連づけられ、今後の精密観測や2028年打ち上げ予定のJASMINEによる追加データへの期待が述べられている。
まとめ:
今回の解析は、太陽と性質の近い星が近傍に多数存在することを示し、太陽系の銀河内での長距離移動に関する議論に新たな視点を与えています。影響としては銀河の棒状構造の形成時期や動径方向移動の普遍性の検討が進む点が挙げられ、研究チームは特定天体の精密観測と今後の観測衛星データを通じて出発点や移動経路のさらなる特定を目指す方針です。現時点では詳細な移動経路の確定は未定です。
