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乳がん増殖を抑える植物由来化合物
要約
岐阜大学などの研究グループが、コウボウムギ由来のKC-Aを計算科学で改良して作製したWH23が、トリプルネガティブ乳がん細胞でアンドロゲン産生の阻害や受容体の減少を通じて増殖を抑えると報告しました。今後、マウスでの有効性検証を進めると伝えられています。
本文
岐阜大学などの研究グループは、コウボウムギという植物の成分を出発点に、トリプルネガティブ乳がんの増殖を抑える化合物を作製したと発表しました。トリプルネガティブ乳がんは分子標的薬が少なく治療が難しいタイプで、アンドロゲン経路が増殖に関与する場合があるため注目されています。研究では天然のKC-Aを計算科学で改良してWH23を合成し、実験室でヒト由来のがん細胞に作用させて効果を確認しました。成果は学術誌に掲載され、今後は動物での検証を進める計画とされています。
主な報告点:
・研究グループはコウボウムギ由来のKC-Aを基に形状を改良し、WH23を作製してアンドロゲンを合成する酵素に結びつきやすくしたとしています。
・KC-AとWH23はヒトのトリプルネガティブ乳がん細胞で、アンドロゲンの供給経路を断つとともにアンドロゲン受容体の量を減らし、細胞増殖を抑えたと報告されています。
・天然のKC-Aは植物から得られる量が限られる一方で、研究グループはKC-AやWH23を実験で使えるグラム単位で合成できるようにしたことと、今後マウスでの有効性検証を進める予定であると公表しています。
まとめ:
今回の研究は、トリプルネガティブ乳がんの増殖に関与するアンドロゲン経路を標的とする新たな化合物の作製と基礎的な効果確認を示しています。動物実験や臨床での有効性・安全性は現時点では未定で、研究グループはマウスでの検証を次の段階として進めるとしています。
