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アトラス彗星でアンモニア欠乏を確認
要約
京都産業大学の観測で、恒星間天体「アトラス彗星」(3I/ATLAS)は可視光域のスペクトルが太陽系彗星と似る一方、NH(アミノラジカル)が極端に少なく、氷中のアンモニアが欠乏していることが示されました。結果は近日中に学術誌に速報掲載される予定です。
本文
京都産業大学の神山天文台チームは、口径1.3mの荒木望遠鏡と分光器「LOSA/F2」を用い、恒星間天体3I/ATLAS(アトラス彗星)を観測しました。可視光域のスペクトルは太陽系で一般的な彗星に似ており、主要な氷成分に大きな差がないことが示唆されます。一方で、通常検出されるNH(アミノラジカル)が極端に少ないことが明らかになり、氷中のアンモニアがほとんど含まれないと結論づけられました。これらの結果は、アトラス彗星が誕生した他星系の環境が太陽系と質的に異なっていた可能性を示すものとして報告されています。
観測で確認された点:
・観測は2025年11月29日、12月4日、12月6日の計3夜に実施され、荒木望遠鏡とLOSA/F2を使用しました。
・可視光スペクトルではCN、C2、C3といった分子の発光や酸素原子の禁制線([OI])が検出され、太陽系彗星と類似した特徴が見られました。
・一方でNH分子は極端に欠乏していると解析され、氷中のアンモニアがほとんど含まれないと結論づけられています。
・ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡など他の観測でも太陽系彗星と異なるガス組成の兆候が報告されています。
・研究成果は米国天文学会刊行のThe Astrophysical Journal Lettersの速報版に近日中に掲載される予定です。
まとめ:
観測結果は、アトラス彗星の可視スペクトルが太陽系彗星とよく似る一方でアンモニアが欠乏している点を示しています。これは彗星が生まれた他星系の化学的環境が異なっていたことを示す手がかりとなり得ますが、詳細な解釈や比較は今後の論文掲載や追加分析を踏まえる必要があります。
