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火星への旅とハムスターの冬眠
要約
広島大学らの研究で、ハムスターなど冬眠動物の筋幹細胞が低温下で生存しつつ筋再生のスイッチを抑える仕組みが示されました。フェロトーシス抑制などが確認され、低温保存や長期宇宙滞在への応用の可能性が指摘されています。
本文
冬眠する小動物の仕組みと宇宙飛行士の筋萎縮問題が結びつき、広島大学を中心とする研究グループが注目されています。無重力下では筋肉の分解が進みやすく、国際宇宙ステーションでも長時間の運動が求められます。研究は冬眠動物の筋幹細胞を低温下で評価し、その挙動が人の長期滞在に関わる問題解決につながるかを探っています。成果は2025年12月に学術誌に報告されています。
報告の要点:
・広島大学らの共同研究チームが2025年12月に論文を発表した。
・ハムスターやシマリス、クマ由来の筋幹細胞は4℃で24〜48時間の低温処理でも高い生存率を示した。
・これらの細胞ではフェロトーシス(鉄依存性の脂質酸化による細胞死)を抑える仕組みが働いていた。
・筋再生に関わるMyoDやMyogeninの働きが抑制され、修復を始めない休眠状態が保持されていた。
・広島大学の発表では、低温保存技術や廃用性萎縮対策、低代謝医療などへの応用が想定されている。
まとめ:
研究は冬眠動物の筋幹細胞が低温環境で生存を保ちつつ修復を待機することを示しています。これが低温保存や長期不活動による筋萎縮の理解につながるとされ、将来の応用を目指してさらなる解明が進められる見込みです。現時点で具体的な臨床応用や人間への適用時期は未定とされています。
