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退役衛星への接近観測
要約
アストロスケールは2027年打ち上げ予定の実証ミッションISSA-J1で、機能停止した衛星2基に接近して状態把握する観測技術の実証を行います。非対称形状や高速移動が接近の難しさとなっており、接近から撮影までの手順を段階的に試験します。
本文
アストロスケールは2027年の打ち上げを目指すISSA-J1ミッションで、機能停止した衛星やデブリへの接近によって状態把握を行う観測サービスの技術実証を行います。背景には2020年代に急増するスペースデブリの問題があり、除去や寿命延長を含む軌道上サービスの必要性が高まっています。ISSA-J1は非対称形状の対象への接近技術を検証する点で意義があり、観測結果は今後の軌道上サービスの開発に結びつくことが期待されています。ミッション期間は14カ月で、観測終了後に再突入してミッションを完了する計画です。
報じられている点:
・ISSA-J1はインドのサティシュ・ダワン宇宙センターからNSILのPolar Satellite Launch Vehicleで打ち上げる予定です。
・衛星は約650kgで化学推進10本と電気推進2本を備え、電気推進で軌道遷移を行う設計です。
・観測対象はJAXAの「だいち」(ALOS)と「みどりII」(ADEOS-II)の2基で、それぞれ現在は約660kmと約790km付近にあると報告されています。
・接近手順は軌道投入後に高度を合わせる絶対航法から、1km手前で相対航法に移行し、接触しない半径で螺旋軌道を描きながら撮影する段階を想定しています。
・非協力物体であるデブリは姿勢制御がなく、自転が生じている可能性があり、片持ち式の太陽電池パドルなど非対称形状が接近の難易度を高めています。
まとめ:
ISSA-J1は非対称形状の退役衛星への接近観測を通じて、接近・撮影の実用的手順を検証することを目的としています。成功すれば観測・捕獲・燃料補給などの軌道上サービス開発に資するデータが得られる見込みで、打ち上げは2027年が予定されています。成果は今後の技術普及や次段階ミッションの評価材料になると考えられます。