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島弧の下で金が濃縮される仕組みを解明

科学と地球参照元 : 1記事2026/4/15 11:30:00

要約

研究チームがケルマデック島弧と近傍トラフの海底火山性ガラス66点を分析した結果、島弧域のマグマは中央海嶺近傍と比べて岩石1g当たりの金が数倍から最大6倍含まれていることが分かりました。繰り返し起きるマントルの溶融で硫化物鉱物が分解し、金が放出・蓄積される過程が濃縮の鍵とされています。

本文

海洋プレートが沈み込む沈み込み帯の直上には弧状に火山が連なり、こうした島弧の地下岩石には中央海嶺付近のマグマと比べて多くの金が含まれていることが知られてきました。ドイツ・ヘルムホルツ海洋研究センターを中心とする国際研究チームは、南太平洋のケルマデック島弧とその西側のアヴァル・トラフで採取した火山性ガラスを分析し、金の濃縮メカニズムを調べました。分析結果は『Communications Earth & Environment』に報告されています。今回の研究は、地表近くの現象だけでなく深部のマントル過程が金の分布に影響する可能性を示しています。 調査で示された点: ・採取地点はケルマデック島弧とアヴァル・トラフで、火山性ガラス66点を分析している。・火山性ガラスは噴出当時のマグマ組成を保存する試料である。・島弧由来のマグマは、同種の中央海嶺由来マグマと比べて岩石1g当たりの金が数倍〜最大6倍だった。・銀・銅・セレン・白金なども測定され、金と銅の比率が標準値を上回っていた。・沈み込みに伴ってマントルに取り込まれる水が溶融を促し、硫化物鉱物の分解で内部の金がマグマへ放出される。・この溶融が何度も繰り返されることで、金の含有量が段階的に高まると結論づけられている。 まとめ: 今回の研究は、島弧下のマントルで繰り返される溶融プロセスがマグマ中の金を濃縮する有力な説明になるとしています。これにより、沈み込み帯に伴う海底の熱水性硫化物鉱床が中央海嶺産出物より金を多く含む理由の手がかりが得られましたが、詳細な関係性についてはさらなる調査が必要とされています。

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