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量子コンピュータで原子核の基底状態を推定

科学と地球参照元 : 1記事2026/2/25 1:50:02

要約

宇都宮大学と理化学研究所の共同チームは、理研に設置された米Quantinuum製イオントラップ型量子コンピュータ「黎明」を用い、酸素・カルシウム・ニッケル同位体の基底状態エネルギーを約0.1%誤差で推定したと発表しました。実験は全結合型の装置特性とエラー低減技術を組み合わせて行われ、成果は学術誌に掲載されています。

本文

宇都宮大学と理化学研究所の共同研究チームは、理研和光キャンパスに設置されているQuantinuum製イオントラップ型量子コンピュータ「黎明」を用いて、複数の同位体の基底状態エネルギーを高精度に推定したと発表しました。原子核の多体系シミュレーションは自由度増加で計算量が急増するため古典計算機での処理が難しく、量子コンピュータの応用が期待されています。今回の実験ではイオントラップ方式の高いゲート精度や回路設計、エラー低減技術を組み合わせ、原子核物理学への適用を試みています。成果は学術誌に掲載され、研究チームはNISQ機を用いた高精度計算の実例として意義を示しているとしています。 実験で確認されている点: ・使用装置:米Quantinuum製イオントラップ型量子コンピュータ「黎明」(理研、2025年2月から設置) ・対象:酸素、カルシウム、ニッケルの各同位体の基底状態エネルギー ・精度:基底状態エネルギーの誤差が0.1%オーダーで推定されたと報告されている ・手法:全結合型ハードウェア特性を生かした回路設計とエラー低減技術を導入 ・解析:ハミルトニアンの1体項・2体項の期待値を複数の量子回路で測定し、2種類のエラー低減法を比較 まとめ: 今回の研究は、NISQ世代のイオントラップ型量子コンピュータで原子核の基底状態を高精度に推定した例として報告されています。研究チームは、量子計算が原子核理論計算の新たな基盤になり得る一歩と位置づけていますが、適用範囲の拡大や装置の性能向上などは今後の研究課題であり、現時点では未定とされています。

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