← ニュースAll
ナトリウムイオン電池の充電過程を解明
要約
総合科学研究機構や東北大学の研究で、ナトリウムイオン電池の負極材ハードカーボンへのナトリウムの入り込み方が原子レベルで観察され、吸着・層間挿入・隙間充填の三段階が確認されました。材料設計に役立つ可能性があります。
本文
総合科学研究機構(CROSS)や東北大学などの研究グループは、ナトリウムイオン電池の充電メカニズムを原子レベルで明らかにしました。ナトリウムイオン電池は海から得られるナトリウムを用いるため資源面での利点があり、発火リスクが相対的に低いとされています。一方で、リチウムイオン電池よりエネルギー密度が低い点が課題で、負極に使われるハードカーボン内部でのナトリウムの挙動が設計上の不明点となっていました。研究では中性子を用いた解析で充電中のナトリウムの移動を観察し、構造変化の様子をとらえています。
観察で分かった点:
・ナトリウムイオンは充電開始でまずハードカーボンの表面に吸着する。
・次にカーボンの層と層の間に入り込み、この第2段階で層間隔が広がり構造が乱れることがあった。
・最後にわずかな隙間を満たす第3段階の挿入が確認された。
・層の乱れや材料中の穴の数などが電極の出力や容量に影響する重要な要素とされた。
・研究成果は英王立化学会の『ケミカル・サイエンス』にオンライン掲載された。
まとめ:
ナトリウムの三段階の入り込み方と第2段階での構造乱れが明らかになり、ハードカーボンの材料設計に関する知見が増えます。これにより長寿命な電極の開発につながる可能性があり、研究グループは今後さらに寿命性の向上を目指すとしています。現時点での実用化スケジュールは未定です。
